しゅでん日記!―本線― 第11話「変更!」

「いや〜今年の冬はすっごく寒かったけど、最近はだいぶ暖かくなってきたねっ!」
「そうね、カメラを持つ手が悴んでシャッターを押した感覚が無かったわ。」
「暖かくなってきたらいい感じに眠くなるし!」
「良い気持ちで寝過ごしたわ。」
「いやぁ〜ホントに春はいいもんですなぁ〜!」
「そうねぇ。」
「……。」
「どしたの?大川君?」
「今、春だっけ……?」
「なにっちゃってんのかな!誰がどう見ても今は4月じゃん!」
「あ、いや……確かに現実ではそうかもしれないけど、物語内時間だと、今8月だよね……。」
「あ、ひと月を10話単位でやるっていう方針、変更になったそうよ。」
「もう変更されたの!?まだひと月分しかやってないんだけど!?10話しかやってないんだけど!?」
「だって!めんどくさいじゃん!今が旬の話にするなら、やっぱり現実に時を合わせないと!!」
「なにそれ!!変更って言うかもう物語の根幹が揺らいで来てるんだけど!」
「1話=1日というのもなくなるそうよ。」
「日記は!?日記要素はどうなったの!?」
「そんなの元々ないじゃん!“しゅでん!”だけじゃ物足りないから、なにかつけよう、
そうだ日記にしよう!ってなったんだから!」
「なんで京都行くみたいに決めてんの!!」
「要はインスタント焼きそばと同じ理論よ。焼いてないのに焼きそば。日記じゃないのにしゅでん日記。」
「要は、タイトルなんてどうでもいい!!」
「なにそのぶっちゃけ!!ジョ○チューンにでも出たら!!」
「こんな個人が内輪ネタで出れるわけないじゃん!」
「なんでそこだけは正論で返してくるの!!」
「でも、個人でもテレビに出れる可能性はあるわ。マニアVS職員みたいに。」
「あぁ!あれか!あっという間に終わったほこ……」
「そこは触れちゃだめ!」

「で、今日から4月ということは百歩譲って認めるとして、旬のネタとして何を取り上げるの?」
「そんなの決まってんじゃん!それは消費税、」
「あ、やっぱりそれなんだ。」
「3%導入!」
「何十年前の話をしようとしてるの!旬どころか賞味期限切れだよ!」

「さて、この春から増税となって、私はすごく困るわ。」
「いや、みんなそうだと思うけど、一応聞いてみる。なにがそんなに困るの?」
「日本全国の運賃暗記やり直しよ。」
「そんな特技あったの!?それは確かに困るね!!」

「実は私も困るんだよ!」
「なにが?」
「横浜まで出るときの片道運賃を覚えなおさなきゃ!」
「たったひとつじゃん!!」

「大河はなにか困るものないのかしら?」
「え?僕?そりゃあ8%になるから少しずつは困るけど、これと言って目立つのは……。」
「なんかないのー?あたしたちだって言ったんだから教えてよ!大川君!」
「勝手に話しだしただけじゃん!!」
「大川君、あたしたちの話を聞いたときから君も共犯者さ!」
「罪犯してないし!困ってるものも言いたくないし!ぜんぜん言ってる意味不明だから!あっ!」
「困ってるものも言いたくないしってことは、やっぱり困ってるものはあるんじゃない。」
「カミングアウト!」
「え……えっと……2円値上がりするから年賀状が結構痛手になる……かな……。」
「……。」
「……礼義が正しくてよろしい!」
「ありがとうございまーすっ!」

「おや、みなさん、なんの話をされていたのですか?」
「あ、白岡産、増税の話です。」
「増税ですか。やはりどこもその話題ばかりですね。10%に増税という話題が。」
「そんなところは先取りしないでいいんですよ!」

「白岡さんはなにかすっごく困ることってあるんですか?」
「すごく困ることですか?そうですね、強いて言うのであれば、8%になるので計算が面倒に
なることですね。」
「へぇ〜(あー普通だーもうちょっと面白いこと言ってほしかったなー)」
「(あ、永沢さんが白岡さんのボケを狙って聞いたのに思いのほか普通の意見過ぎてがっかりしてる。)」
「私たちは嬉しいです、白岡さんがもう少しボケてくれると。」
「直球ストレート!」
「英文訳調だから変化球かもだよ!!」

・通りすがりに話に加わった白岡は、少し話をしたら仕事に戻っていった。
「そういえば、二人は増税前になにか買ったりしたの?」
「おやぁ〜?それ、聞いちゃっていいのかぁ〜い?あとであたしらも聞いちゃうよぉ〜?」
「いいよ、別に実際に買ったから!」
「なに買ったの?」
「通学定期券6カ月分だよ。」
「へぇ〜(あー普通だーもうちょっと)」
「さっきの白岡さんに対するのと同じ表情はやめて!」

「で、永沢さんはなにか買ったの?」
「みんなの信用を買ったよ!信用、それはプライスレス!」
「値段が付かないなら消費税かけようが無いじゃん!!」

「私も増税前に買い物したわ。」
「なに?」
「電車よ。」
「ウソっ!?」
「うそよ。」
「ウソかい!」
「嘘だッ!」

「そういえば、増税の話から内輪ネタに戻るけど、しゅでん日記!の本線と支線の話数の割合とかは
どうなるの?」
「私たちがわかるわけないじゃない、作者じゃないんだから。」
「さっきあんなに知ってたのに!?」

「なんかねぇ〜、私たちの本線と支線の更新はもうばらばらでやってくって〜」
「要は、支線は第3セクター化されて完全独立の運転となるってことね。」
「そ、そこまでやる気無くしてたのか、ここの作者は……。」
「ま!とにかく!なんとなくやってけばどうにかなる!なんくるないさー!」
「線路は続くよどこまでも。」
「こんな最初で方針転換できてよかったんだよ!これから頑張ればいいんだよ!」
「最初の設定に執着せず、柔軟に適宜対応する。私たちにはこれができるじゃない。」
「なぜなら!これは個人のオリジナル小説だから!」
「……そ、そうか、僕達の話はまだ始まったばかり。
……これから頑張ればいい……これから……そう!僕達の日常はこれからも続くんだ!」

第12話へ続く

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